いにしえの学び舎

和学の会


和学《wagaku》公式ホームページ

 

和学の会について

2022年11月15日更新

≪より深い日本文化への認識を≫

 

 今、海外の人たちの日本文化への関心が、歴史的にも前例のないほどの高まりを見せています。

 

 この波は、2013年頃から始まりました。
 日本食は世界遺産に選ばれて世界的ブームとなり、京都は訪れてみたい場所世界一に何度もランキングされました。奈良への外国人観光客は、2012年から5年間で6倍に増加しています。テレビでも、日本文化や技術を日本の職人に学びに来る外国人をテーマしたような番組がこんなに放映される現象は、2012年までは見られませんでした。

 

 世界の日本文化に対する関心が、かつてないほどに高まっている中で、日本人自身の日本文化への核心に迫る認識が、世界のため、未来のために、求められているように思われます。

  和学の会は、作家、教育家、舞踊芸術家、日本文化研究家、タオ理論、文明の東西反転1600年周期歳差運動説等、多方面で知られる千賀一生監修による和の文化の本質とその心を学ぶ会です。

 

 

 

 ≪和学の『和』とは?≫

 

 和語(やまとことば)の『わ-wa』という言葉は、漢字の伝来によって『和』という漢字等が当てられていますが、その本来の主要な意味の一つに『輪』の意味がありました。

 『輪』とは、円形の形を意味します。

 

 日本列島には、3万6千年前から、円形集落が存在したことがわかっています。
 3万6千年前は、旧石器時代であり、この年代には、円形集落は、日本列島以外には、存在しませんでした。
 もちろん、縄文時代も、縄文の主要地域は円形集落を形成していました。
 この形態的社会形成は、日本人の精神性に非常に大きな影響を与えたと考えられます(詳細は千賀一生著『縄文の円心原理』)。
 日本がわの国と呼ばれたのも、非常に言いえた命名であったと思われます。

 

 ご承知の通り、円形運動は、軸を発生させます。
 古代日本は、もう片方では、軸信仰の世界であり、古代日本人は軸的世界観をもっていました。
 神を一柱、二柱と数えるのも、創世神話が天御柱から始まるのも、その一つです。
 今日の日本文化で、体軸や正座が重んじられるのも、その流れと考えられます。そして何よりも、日本の伝統的建築に、その精神は受け継がれています。

 

 和学の和とは、この、型の上で日本人の心を育んだ、和語の『わ-wa』の概念を込めた命名です。

 

 

≪未来のための日本文化≫

 

 縄文の時代、縄文文化が最も栄えた地域には円形集落が形成されていました。円形集落遺跡を見ると、中心に信仰対象を抱くように住居が取り巻き、集落は一個の対象を抱く完結する空間という観点が伺えます。

 殺傷人骨が現代よりもはるかに高い割合で発見される古代世界の中で、縄文社会は極めて例外的特質をもって いました。
 それは、縄文の円形集落からは殺傷人骨が発見されないという、驚くべき特質です。これは、彼らがいかに平和な社会をつくっていたかを物語っています。

 弥生に入ると、悲しいことに、大量の殺傷人骨が見つかります。

 しかし、私たち日本人の中には、世界でも稀有の調和文化を築いた縄文の人々の血が確実に流れています。今まで日本人は、日本という国を、縄文以前を抜きにしてとらえてきました。和学の会では、『和』の精神を、儒教や仏教などの外来思想以前の日本に求めます。 
 縄文の『輪-WA』の精神は、まさに『和-WA』の精神に通じますし、実際に日本の精神文化の底辺には、縄文の精神が引き継がれています。
 日本の精神文化の神髄ともいうべきものの、ことごとくが縄文精神にあることを私たちは認めます。
 日本文化をそのような観点から探求すると、その学びは、世界的価値に通じてゆきます。
 世界の普遍的調和にとって、真の和の精神を学ぶことは、それ自体が平和への貢献であると 私たちは信じます。